1985年にアーケードで稼働された日本物産(ニチブツ)の同名タイトルの移植で、同社の固定画面型シューティングゲーム『ムーンクレスタ』の続編です。このファミコン版はアーケード版稼働年の翌年である1986年に発売されました。
ゲーム内容は前作『ムーンクレスタ』とは大幅に変わり縦スクロールシューティングとなっていますが、同時期に発売されたシューティングゲームに見られた自機のパワーアップ要素が"合体"に置き換えられ、合体する事で攻撃力が上がるもののその分当たり判定が大きくなるのがこのゲームの特徴で、それが前作との共通点となっています。
合体した自機はそれぞれ分離してフォーメーションを組む事が可能で、使用回数に制限があったり一定時間でしかフォーメーションが組めないものの広範囲に攻撃することができ、さらに5機合体すると一定時間無敵の「火の鳥」となります。合体した状態ではダメージを喰らっても自機が初期状態に戻るだけでミスにはなりませんが、フォーメーションを組んでいる時はメインの自機が丸腰になるので一度ダメージを喰らうだけで1ミスとなります。

このファミコン版ですが、ニチブツから発売されたファミコンのアーケード移植作品はどれも完成度が高いのですが、中でも本作はトップクラスのクオリティだと思います。
パッケージに「1M大容量ROM搭載」と記載されているだけあって容量に余裕があるのか、色数やキャラクター表示の制限といったファミコンの性能に関わる部分以外は比較的忠実な移植度となっています。
ニチブツサウンドと呼ばれるキンキンした音色のBGMはファミコンの音源ながらもアーケード版のFM音源バージョンを上手くアレンジし、グラフィック面も多少の変更・省略があるものの可能な限り再現されています。アーケード版のネームエントリーBGMはファミコン版ではタイトルBGMに再利用されたり、残機"1"のスタート時に流れるBGMは『ムーンクレスタ』のアレンジだったりと、細かいところまで抜かりはありません。
ファミコン版でのオリジナル要素として5機のフォーメーションをエディットできるモードが搭載されています。使い勝手だけ見れば初期のフォーメーションでも十分すぎる気もしますが、おまけ要素としては面白い試みです。

難易度に関しては、縦画面のアーケード版のバランスのまま画面比率が異なるファミコン版にコンバートしたせいか、アーケード版よりも難しい印象です。画面サイズと比較し自機の当たり判定が大きく、1面から登場する一部の雑魚敵の動きが嫌らしい上、ボス戦でもそんな雑魚敵が多数出現するので下手な弾幕系シューティングよりも避けるのが困難ですが、その分弾幕系とは違った手応えを味わえます。ただ、合体していない状態でボスに挑むのは厳しいですが、幸い一部のステージ除きミス後の復帰地点ではボス戦までに合体パーツが拾えるのが救いです。

後にファミコン版をベースにしたNES(海外ファミコン)版がビック東海より発売されましたが、後発だけに様々な改良が施されているのが特徴です。キンキンだったBGMが全体的にマイルドになり、フォーメーションエディット画面ではBGMが追加され、そして何よりも操作性の改良が大きな変更点となっています。自機移動が気持ち程度にスピーディになったので(特に斜め移動)、国内ファミコン版のみならず、アーケード版よりも遊び易くなった印象です。移植度という点では国内ファミコン版が忠実ですが、画面比率が異なる家庭用版としてはむしろNES版の方が圧倒的に遊び易く、シューティングゲームとしての完成度はNES版が上です。今から遊ぶならNES版がお勧めです。個人的には家庭用ニチブツシューティングの最高峰だと思います。

余談ですが、ファミコン版発売当時はニチブツ通販でサントラ(カセットテープ)が買えたり、合体変形玩具(なんとゲーム本編には無いロボット形態に変形可能)やプラモ同梱の食玩が売られたりと、シューティングゲームとしては珍しい商品展開が行われました。ニチブツには数多くの名作がありますが、ここまで商品展開された作品は当時は本作ぐらいでしょう。ファミっ子達のニチブツの知名度を一気に上げた作品かも知れません。

コナミがディスクシステム用として1988年に発売された同名タイトルをROMカートリッジ版(以下ROM版)として移植したもので、ファミコン末期である1993年に発売されました。
ジャンルはサイドビューのスクロール式ジャンプアクションゲームで、四つん這い歩きの赤ん坊キャラ"ウパ"を操り、お菓子の世界や野菜の世界等、それぞれ特色が異なる全7ワールド(7ワールド×3面=全21ステージ)を攻略し、最後に待ち受ける魔王ザイーを倒しさらわれた赤ん坊を救出するのが目的です。
ディスク版とはゲーム内容に大きな変更点はありませんが、移植に際し、音源が変更されたのと(元のディスク版はディスクシステム内臓音源を使用している)、イージーモードが追加されたのがROM版の特徴です。

主人公が赤ん坊だけに標準装備である"ガラガラ"(作中での呼び名は「ガラ=スウォード」)を武器とし、それを敵に叩くことによって敵が風船の様に膨らみ、その膨らんだ敵をガラガラで投げつけて他の敵にぶつけたり、足場として利用し高い足場に乗り移る事ができます。その為、いかに膨らませた敵を活用するかが攻略の鍵となります。"ガラガラ"は見た目に反して当たり判定が広いので、シビアな操作を求められることはありません。

赤ん坊の主人公、コミカルなキャラクター、パステルカラーのグラフィック等、全体的に女性ユーザーを意識したような雰囲気で、プレイヤーは残機&ライフ制ですが、当時のファミコンアクションゲームとしては並み程度の難易度で、愛らしい見た目に反し難しく感じます。特にボス戦では他のザコ敵を膨らませて、それをボスにぶつけないとダメージを与えられないのですが、狙って投げつけるタイミングが難しく、最初のステージさえある程度アクションゲームに慣れてないとクリアーが難しく感じられます(そもそも的となるボスが小さいので当てるのが余計難しい)。
ただ、良作アクションを多数輩出しているコナミだけに操作性は良好で、コンティニューも標準採用されているので、根気よく繰り返し挑戦すれば先に進められる適度な調整が嬉しいですが、全21ステージは人によっては長丁場に感じられるでしょう(但し裏技でラウンドセレクトが可能)。

ゲーム単体として見れば申し分ないほどの完成度で、同時期に発売されたコナミ作品にも決して引けをとりません。しかし、見た目こそは女の子向けですが、ゲーム的.難易度的には本格派(アクションゲーマー向け)なので、どの層に向けて作られたか分からず、他のコナミ作品と比べると根強いファンが少ないように感じられます(元々、普及率的に微妙だったディスクシステム作品なのも原因の一つかも知れませんが)。
そのせいか、他作品でウパの友情出演(ワイワイワールド2やスーパーファミコン版パロディウスシリーズ等)があっても、現地点(2011年)で続編が発売されることはありませんでした。

復刻版であるROM版が発売された1993年当時、筆者はメガドライブ中心で遊んでいたので本作はノーチェックでしたが、やはり世間的にもスーパーファミコン時代だったのか、誰も全く見向きもせず、少ない出荷本数でありながらも売れ残り店も多かったと記憶しています。前回の『悪魔城ドラキュラ ROM版』同様、ワゴンで見かける事も少なからずありました。実際筆者もワゴンで680円で購入しました(1996年頃)。
ディスク版発売当時でも筆者のまわりではソフトを持っている人がいなく、今回のROM版が初プレイでした。初めのうちはお子様チックな外見のせいで甘く見ていたら、1面ボスですら苦戦し、躍起になって何度も繰り返しプレイしました。いつの間にかハマってたようです(笑)。
当初は、「何でこんな微妙なゲームが復刻されるんだろう?」と思ったのですが、もしROM版として発売されなかったら恐らく触れる機会がなかったので、結果的にこの復刻はありがたかったです。少々難しい部分もありますが、ROM版にはイージーモードがあるので、当時投げ出したユーザーにも機会があれば再挑戦して欲しいですね。

本作は1984年にアーケードで稼働されたカプコン初期の同名縦スクロールシューティングをその翌年の1985年にファミコンへ移植されたもので、同社の"19シリーズ"の第一作であり、カプコンのファミコン参入第一弾タイトルでもあります。このファミコン版は初期カプコンファミコン作品(『ソンソン』『魔界村』等)の移植を手掛けたマイクロニクス社が担当しています。
タイトルからわかる通り第二次世界大戦を題材とした作品で、プレイヤーはアメリカ戦闘機"P-38ライトニング"を駆って日本軍に挑むという内容です。

縦スクロールシューティングとしては初期作品に当るので、内容としてはごくシンプルで自機のパワーアップは地味なものですが、本作独自の要素としてアイテムを取る事によって自機の横に「サイドファイター」(ダメージを受けると喪失)が付いたり、「宙返り」を行うことができます。「宙返り」は使用回数に制限はありますが宙返りしている間は当たり判定がなくなります。主に回避用で、自機が画面端に追い込まれた時に特に有効です。
ステージクリアー後のレザルト画面では、換算スコア表示の他に、撃墜率が表示されるのが当時としては珍しかった(もしくは新鮮だった)ように感じます。続編『1943』では撃墜率がクリアー条件として採用される等、19シリーズではお馴染みの要素となっています。

このファミコン版は、アーケード版の要素はほぼ再現され、編隊を組んで出現する敵機や、19シリーズの象徴である大型ボスの「亜也虎」等、静止画を見ればそこそこよく出来ているように感じますが、実際に動いている画面を見るとかなり残念なところがあります。20~30fpsで処理しているようなガクガクさで、操作してもっさりした動きにいらつきを感じます。他の初期のマイクロニクス社の作品で見られた「見た目は良くても動きがイマイチ」という代表例の一つといえますが、操作の反応の悪さのせいで一見大人しい敵の攻撃すら避け難く、見た目よりも少し難易度が高く感じられます。
これはアーケード版からあったものなので仕方ありませんが、各ステージの変化が乏しい上、同じ様なグラフィックのステージが32面も続く長丁場だったり、BGMがBEEP音で作曲したような単調さで、全面クリアーするまでに飽きてしまいがちです。ファミコン版ならではの要素があればちょっと評価が変わったかも知れませんが、アーケード版の再現を目指すあまり、単なる劣化移植となってしまったのが残念です。見せ場らしい見せ場といえば、辛うじて「亜也虎」が登場する場面でしょうか。当時はともかく、近年のゲームと比較すれば非常にシンプルな作りなので、長時間プレイは厳しいものの、何も考えずプレイすればそれなりに楽しめるかと思います。高撃墜率を目指すと結構難しいので、そこそこ熱くはなれます。

ただ、当時としては高クオリティの移植作品が続々と発売された時期でもあるので、それらと比較されるとかなり厳しく感じます。特に同じ縦スクロールシューティングとして、前年には移植度の高さで話題になった『ゼビウス』(ナムコ)が、同年には『スターフォース』(ハドソン/テクモ)が発売されたのが大きく、遊び比べてみると、動きの滑らかさが、操作性や爽快感に繋がる事を痛いほど実感します。今と比べまだ無名だったカプコンのファミコン第一弾である本作は、当時のファミっ子にとっては辛いデビューといえそうです。

本作の十日後に、本作と同じくカプコン&マイクロニクスの組み合わせでファミコン版『エグゼドエグゼス』(諸事情により販売元は徳間書店)が発売されましたが、こちらも酷評があるものの、二人同時プレイや、ハイスコアを狙う楽しさや、見た目が(1942に比べれば)派手な分、こちらのまだ遊べるように感じられます。これはあくまで比べればの話ですが、つくづくその頃のカプコンは外注先に恵まれていなかったように感じられます。

今思ったのですが、本作のサイドファイターは、『大旋風』(タイトー/東亜プラン)のヘルパーの原点なのかも知れませんね。どちらも地味なところも共通していますが(笑)。

↑このページのトップヘ