1988年にアーケードで稼働された東亜プランの同名縦スクロールシューティングの移植で、このメガドライブ版はその翌年である1989年に発売されました。販売元はセガですが、開発は東亜プラン自らが担当しています。
メガドライブとしては比較的初期に分類する作品で、同機種初の縦スクロールシューティングです。

シューティングゲームとしては王道的な作りで、三種類のショット(道中に出現するアイテムを入手する事で切り替え可)と、画面全体の敵にダメージを与えるボンバーが存在する等、東亜シューティングとしてはお馴染みのシステムです。
凝ったシステムがない分、初プレイでもすぐに遊べる取っ付きやすい内容ですが、自機の当り判定は見た目通り大きく、現在主流の弾幕系のように小さくありません。その他、ショットパワーアップに5つのアイテムを取る必要があったり、ミスするとショットが最弱になったり、復活には戻りがあったり、若いゲーマーが遊ぶと厳しく感じるかも知れません。昔のゲームでは当たり前のようにあった厳しい仕様ですが、この辺はメガドライブ版でも再現されています。

流石、本家が手掛けただけあってキャラサイズは大きめで、当時の水準を考慮すれば見た目の移植度は忠実と言えます。しかし、それだけに仇となっているのが画面比率。アーケード版は縦モニターを採用してましたが、家庭用版は横置きのテレビモニターということもあり、メガドライブ版では画面右端を表示関係(スコア、ハイスコア、残機、ボンバー数、パワーアップアイテムの入手数)で占めているので、画面比率は正方形に近くなっています。その比率のせいで画面が窮屈に感じられ、アーケード版よりも難易度が高い印象です。筆者はアーケード版をノーミスで3面道中(2UPアイテム出現場所辺り)まで行けるのですが、メガドライブ版ではイージーモードで2面クリア―が精一杯です。家庭用で縦画面シューティングを移植する事の難しさを実感します。


なお、アーケード版の主な相違点は
・自動連射機能追加
・パワーショット(赤)の最高段階が変更
・周回別(5周目までの)エンディング追加
・ボンバーの爆風のグラフィックが巨大化
 
ぐらいでしょうか。
発売当初、アーケード版のファンからBGMの再現度の低さを指摘されましたが、ゲームセンターでは騒音によってBGMが聴き取れないこともあり、筆者的にはあまり気になりませんでした。それでもアーケード版のファンで、BGMの再現度の高いPCエンジンHuカード版(タイトーより発売)の後にプレイすると厳しいかも知れません。

後発のPCエンジン版に比較すると移植具合は劣りますが、メガドライブ版はアーケード版稼働から約一年後のタイミングで発売された事を考慮すれば、二年半以上遅れて発売されたPCエンジン版よりも商品としての価値はあったはずです(懐かしむには当時はまだ早過ぎるし)。現在の中古市場の流通量や安価な中古相場から見ても、当時はそれなりにニーズがあった事が伺えます。もっとも当時のメガドライブソフトは種類が少なく、仕方なしに買ったユーザーも多かったと思いますが…。その為、メガドライブ中古ソフトの定番でもあるので、ユーザーの大半は持っているのではないのでしょうか?
逆にPCエンジン版は今更な時期に発売された為、出回りが悪く、中古相場がメガドライブ版よりも高額です。

これは筆者の個人的な思い出話ですが、本作の発売からなんと2年程経って『BEEP!メガドライブ(ソフトバンク)』の裏技コーナーにて「1~5周目エンディング&無敵技」が公開されました、しかし当時の筆者は中学生の為、金欠で本誌を買える予算が無かったので(定価480円)、立ち読みで手順を暗記しました。手順が長めのこのコマンド、子供の頃の暗記力に自分の事ながら感心してしまいます…(笑)

ボンバーを使った有名な裏技を一つ。ボンバーの爆風グラフィックが表示している時にポーズをすると、ポーズをしている時間に比例してダメージを与え続ける事が出来ます。ボスは非常に硬くて、安全地帯を知らないと厳しいのですが、これを使えば初心者でもボス戦は余裕でしょう。まあ道中の難易度が高いので、ボスに辿り着くのも困難ですが…(そのせいか、この裏技を使ってもあまり卑怯とは感じなかったり)。

余談ですが、本作をGENESISで起動すると海外タイトル『TRUXTON』に切り替わりますが、ゲーム内容に相違はありません。