今月でガンダムゲーム30周年を迎えるということで、(バンナム公式で)史上初のガンダムゲームであり、本日で発売30周年を迎えるファミコンソフト『機動戦士Zガンダム ホット・スクランブル』(以下、商品版)に挑戦…しようと思いましたが、web上で存在そのものは語られても、肝心のゲーム内容をあまりレビューされていない非売品バージョン『機動戦士Zガンダム ホット・スクランブルファイナル編』(以下、ファイナル版)に挑戦しました!
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上の画像は『機動戦士Zガンダム ホット・スクランブル』の商品版(上・黒カートリッジ)とファイナル版(下・銀メッキカートリッジ)です。開発はナムコ在籍時代に『ゼビウス』『ドルアーガの塔』を手がけた遠藤雅伸氏が設立した「ゲームスタジオ」。同社にとって初のコンシューマタイトルとなります。

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※ファイナル版のオープニングデモには商品版にはない開発者の記載があり。その代わり、商品版にはあったゲームスタジオの表記はなし。

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商品版は「地上(3D面)⇒宇宙(3D面)⇒要塞内部(2D面)」で構成されていますが、ファイナル版は地上と宇宙の3D面オンリーの構成となっています。
ファイナル版は3D面オンリーになった代わりに、商品版のそれよりもシステムが複雑化されたのが特徴で、レーダーで索敵して敵を狙い撃つ必要があったり、被弾すると被弾した箇所が使えなくなる(=不利になる)など、両者とではかなりの違いが見られるのはなかなか面白いです。また、BGMの選曲が同じながらも音程が違ってたり、オープニングデモの見せ方が変更されたりと、ちょっとしたマイナーチェンジも見られます。

ここまでだったらわりと色んなサイトでも見られますが、簡単ながらもファイナル版には周回ごとに簡単なエンディングが用意されていることについてはあまり触れていないように見えます。エンディングといっても本当に一言が表示されるだけの簡素なもので、そのまま次のステージが開始されます。

まず16面クリア。「GOOD!!」
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32面クリア。「WONDERFUL」
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48面クリア。「FANTASTIC」
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64面クリア。「INCREDIBLE」
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80面クリア。「ASTONISHING!!」
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96面クリア。「BRILLIANT」
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そして、99面。ステージ表記は99でカウンターストップですが、ステージはまだまだ続くんじゃよ…(某亀仙人風に)
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112面クリア。「MARVELOUS!?」
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これ以降、エンディングメッセージがあるかは不明。というか、あまりにもの敵モビルスーツの速さに心が折れました…。
実はこの記事のために一ヶ月以上前からゲームを開始していたのですが、無限コンティニューのため48面ぐらいまでなら何とかなる難易度でしたが、これ以降は人間の反応速度の限界に挑戦するかのような、まさにニュータイプじゃないとお手上げです!

…そりゃ、バンダイはこの内容でダメ出しをするわ(笑)

もちろんファイナル版の好きな人はいるだろうし、それは認めますが、これを作った遠藤氏は100円でワンプレイのアーケードゲームを作るプロであっても、ユーザーに5,000円でパッケージを買わせて長く遊ばせるコンシューマには不慣れ(素人)だったんじゃないかな、と遊んでそう思いました。ゲームとしてのスピード感は申し分ないけれど、80年前後のアーケードゲームのように2パターンしかないステージをずっと繰り返しなんだぜ?クリアデモも、感動のエンディングもないストイックな内容なんだぜ?

アーケードゲームはプレイヤーに長時間遊ばれると店側は儲けにならないのでプレイ単価を「数分で100円」を基準せざるを得ず、プレイヤーをある程度遊ばせたら露骨な死ね死ねモードにさせる必要があります。このバランスのまま家庭用に持ってきたらマニアは喜ぶかも知れませんが、「ガンダムのゲームだから」と期待して買ったユーザーには受け入れられるとは思いません。
このソフトは、主にファミコンを中心に遊んでいる小学生をモニターとして遊ばせたようですが、これがマニアをモニターとしたら「ぼくがかんがえたサイキョーのゲーム」で終わってたと思います。

ファイナル版はショットが単発でしか撃てず(商品版も同様)次のショットが撃てる状態になるまで敵が目の前に出現して弾を連発されると、敵に照準を合わせる前に即ゲームオーバーもザラで、下手をすれば開始数秒で何もできずにゲームオーバーになることもそう珍しくありません(ダメージを食らった後の無敵判定がないため)。逆に、敵が背中を見せた時や、敵が数ドットしか見えない遠方からだと相手は弾を撃ってこないので、「敵が数ドットしか見えない遠距離で敵の動きを事前に予測してショットを狙い撃つ爽快感」はかなり気持ちよく、またこの時期の3Dシューティングにドッグファイトの要素があったりと、それがファイナル版が支持されている部分ともなっています。

が、これが楽しめるレベルというのは本当にニュータイプレベルの腕前が必要で、私は何とか112面以上進めましたが、それも数百回というゲームオーバーの繰り返しと、およそ一ヶ月という期間を要して何とか達成した代物なので、こんなニュータイプ以外お断りの無茶なバランスのゲームをバンダイへ持ち込んだ遠藤氏はいったい何面まで進むことができたんでしょうか?(笑)

web上では商品版を「小学生モニターを採用して作り直した」内容から、「子供騙しのゲーム」と言われているのをよく見ますが、バンダイの判断は正しかったかどうかはファイナル版と遊び比べてから判断して欲しいな、と思います。

非売品とはいえ、秋葉原でも普通に売ってますしね!
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裸で14万するけどな(笑)