カテゴリ: オールドセガレビュー

本作は、1990年に稼働されたカプコンのアーケード作品『戦場の狼II』をセガが海外マスターシステム向けに移植したもので、1991年に発売されたメガドライブ(GENESIS)版に合わせて発売されました。前作と同様、トップビューのコンバットアクションシューティングですが、アーケード版は5年の歳月を経ての続編ということもあり、今風(1990年当時)のゲームに仕上がっています。全7ステージ構成で、捕らわれ身の前大統領を救うのが目的です。
 
前作との大きな違いはプレイヤーのスペックで、今回は残機なしのライフ制(コンティニューなし)を採用し、道中に落ちているアイテムを取得することによって銃器を切り替えたり、パワーアップさせたり、ライフを回復させることができます。他にも同時期のカプコン作品ではお馴染みの、メガクラッシュ(画面中の敵を一掃するストック制ボンバー)が使えたり、道中に置いてある乗り物(ジープやホバークラフト)に乗る事が可能です。なお、アーケード版にあった3人同時プレイは不可で、メガドライブ版同様、一人プレイ専用です。
 
マスターシステムソフトとしては大容量4メガビットを使用しているせいか(参考までにメガドライブ版8メガビット)、マップ構成は若干省略されている部分があるものの、可能な限り再現し、ボスはマスターシステムが得意としたBG処理で再現しているので、多少無理矢理感があるもののハード性能を考慮すればよく出来ています。細かいところですが、敵を武器の一つである「バーナー」で焼きつくすと燃え上がる演出も再現しています。また、アーケード版ではライフ制にも関わらず一発死トラップがありましたが、本作はコンティニューがないせいか、ダメージ制トラップに変更されています。
 
マスターシステムソフトとしては及第点ですが、スペック的な問題上仕方ないとはいえ、アーケード版はおろか、同時期に発売されたメガドライブ版と比較するとかなり辛い出来です。特にメガドライブ版の場合、グラフィックが若干劣るのと三人同時プレイが出来ない以外は(当時としては)水準レベルの移植度ですが、その代わりオリジナルモードが秀逸の出来で、アーケード版とは違った魅力がありました。しかし、マスターシステム版は独自のアレンジがなく、移植度とは関係なしに単体で見たとしても、かなり地味な仕上がりになっています。マスターシステムにとっては厳しい処理をしているのか、動きが全体ガクガクしている(30fps以下?)こともあり操作性が悪く、ショットの連射性能は低く(おかげで当てにくい)、シューティングゲームならではの爽快感が半減されています。また、容量的な問題もあったのか、ゲーム中ではBGMはほとんど流れず(唯一ボス戦直前に流れますが、それもイントロ部分のみ)、エンディングは一枚絵で「THE END」の文字だけで終了なのはかなり寂しいです(ちなみにエンディングの曲はアーケード版1面のアレンジ)。他にも、アーケード版やメガドライブ版では次々と敵が出現しますが、それらハードに比べ、スプライト能力が劣るマスターシステム版では多くの敵を同時に表示させることができず、敵の配置で難易度を高くできない代わりにステージ内の制限時間を短くすることによってバランスが取られていますが、この制限時間が癖モノで、中盤ステージ以降はある程度敵を無視し効率よく最短ルートで進まないと時間内クリアーは難しいほどシビアな設定となっています。MSX2の『メタルギア』(コナミ)は敵をたくさん表示できないのを逆手に取りステルスアクションとして仕上げましたが、こちらは制限時間でゲーム全体のバランスを取っているのが面白いところです。筆者の場合、可能な限り敵を無視し、最短ルートでボスに向かい、ボス戦ではメガクラッシュ連発で何とかクリアーすることができました。筆者の腕の悪さを考慮しても、この時間制限はあまりにも厳しいです。
 
筆者はこのマスターシステム版をメガドライブ版発売からかなり後になってから遊んだので(しかもドリームキャスト時代)、古臭いと思ったのは仕方ないことなのですが、もしこれをリアルタイムでプレイしたとしてもやはり厳しく感じたと思います。マスターシステムのカプコン移植物として見ても、本作の前に発売されたマスターシステム版『Ghouls'n Ghosts大魔界村)』や『Forgotten Worlds(フォゴットンワールズ)』は独自のアレンジでそれなりに楽しめたのですが、こちらは出来る限りアーケード版に近づけて移植した結果、単なるタイニー移植で終わった感があります。ハードスペック的に無理なら、そのハードの特性を活かしたアレンジをして欲しかったところですが、そうなってしまうと『MERCS(戦場の狼II)』である必要性がなくなってしまうので、そのアレンジ加減が難しいところでしょうが…。それでも、本作以上に無理のある移植度を誇るマスターシステム版『Strider(ストライダー飛竜)』『Street Fighter II’』に比べれば遥かに楽しめましたが…(笑)

パステルカラーのグラフィック、コミカルなキャラクター、サンバミュージックで話題となった、セガの人気シューティングゲーム『ファンタジーゾーン』の正統な続編です。前作は元々アーケード作品でしたが、今回は家庭用オリジナル作品として1987年に発売されました。
任意型サイドビューシューティングであること、各ラウンドに設置してある前線基地の全てを破壊する目的、買い物によるパワーアップシステムなど、基本システムは前作から引き継がれています。本作はそれに加え、自機オパオパはライフ制を採用し、各ラウンドは複数のゾーンで構成され、それぞれのゾーンは各所に点在するワープを使ってそれぞれのゾーンに行き渡りすることができます。また、当時の家庭用作品らしく、一部のゾーンには隠しアイテム&ショップがあり、それを見つけることでゲームを有利にすることが可能です。
アーケード出身ではない家庭用オリジナル新作のため、アーケード版のファンには知名度が低いですが、後にアーケードへ逆移植されたり、ファミコン(サン電子)やMSX(ポニカ)に移植されるなど、ある一定の人気を博しました。
 
ゴールドカートリッジ初期に発売された前作マークIII版と比較し、本作は技術的にこなれてきた時期に発売されたこともあり、グラフィックの質はかなり向上し、スプライトキャラのチラツキは目立たず、前作マークIII版では再現できなかった前線基地のアニメーションが復活し、見映え的にも当時の家庭用作品でもトップクラスの出来となっています(同年10月に発売されたPCエンジンには流石に劣りますが…)。
また、前作マークIII版は発売時期の関係でFM音源に対応することができませんでしたが、今回は念願のFM音源に対応し、FM音源が奏でる綺麗な音色のBGMは今聴いても前作に劣らない名曲だと思います。
グラフィック向上の代償か、またはFM音源対応によるものか、処理落ちがやや目立ちますが、当時のハードスペックを考えれば許容範囲だと思います。
前作マークIII版は後発のファミコン版よりも移植度が劣りましたが、今回は元々マークIIIに特化して作られているので、ハード性能に比例するようにビジュアル面・サウンド面共に明らかにマークIII版が完成度が高いです。
 
見た目こそは前作マークIII版よりも格段にパワーアップしていますが、ゾーン間のワープ要素を加えたことによってラウンドクリアーに時間が掛かり、テンポが悪くなったのは賛否あるかと思います。本作は家でじっくり遊べる家庭用作品だけに、アーケード作品のように筐体の回転率を気にすることなく長く遊んでもらうためのアイディアだとは思いますが、前作はテンポの良さが売りだったので、アーケード派には批判が多いと思います。ただ、リアルタイムでプレイしていた筆者としては(但し、ファミコン版の方)テンポの悪さは気にならず、それどころかいつでもショップで買い物ができる親切設計で(前作はショップが限られたところでしか出現しなかった)、時間を掛ければクリアーが見えてくる温さが気に入りました。ただ、今回は一周エンドで、難易度調整の設定がなく、上級者には物足りない難易度ですが、他のセガマークIII作品が極端に難易度が高いことを考えれば、本作はセガとしては珍しい万人向け難易度だと思います。
敢えて気になる点を挙げるとすれば、初期のオパオパの初期スピードが極端に遅いことでしょうか。特にミス後の復活が辛く、速攻でアイテムショップに入ってエンジンを買わないと復活はかなり難しいです。少なくとも、どこのゾーンにアイテムショップがあるか覚える必要があります。また、今となっては素晴らしいBGMだけにサウンドテストが存在しないのも勿体なく感じます(当時はサウンドテストのあるゲームは皆無に等しいので仕方ないのですが…)。もっともこれは粗探しに近い意見で、筆者はこの難易度のぬるさとFM音源サウンドが好きで、マークIIIソフトとしては『アレスタ』と並び、かなりやり込んだゲームの一つです。今でもFM音源サウンドのためにたまに引っ張り出します。
 
同年に発売されたアーケード版は、セガマークIIIとほぼ同性能のSYSTEM E基板を採用しているので見た目はさほど変わりませんが、ライフ制が廃止されたり(一発死)、マークIII版にはなかった前線基地の位置を知らせるレーダーが画面上部に表示されたり、永久パターン防止のための制限時間が設けられてり、一部アイテムや隠しアイテムがなくなったり、処理速度がアップしたりと、全体的に難易度が上がっています。また、基板の仕様上、サウンドはPSG音源となっています。マークIII版を気に入りながらも難易度に満足しなかった人にはアーケード版がお勧めですが、このアーケード版はセキュリティの関係で基板に電池が搭載し、この電池の寿命が切れると稼働しなくなるので、ゲームを挑戦する前に稼働する基板を見つける方が難しいのかも知れません。
 
さらに後年、プレイステーション2用ソフトとして発売された『SEGA AGES 2500シリーズVol.33 ファンタジーゾーンコンプリートコレクション』には、本作のリメイク版(SYSTEM16版)が収録されましたが、ゲームとしては出来は申し分ないものの、アーケードゲーム的な作りを重視しているせいかテンポ自体はよくなっているのですが(オリジナルにあったゾーン間のワープがない)、あまりにもの変貌ぶりで、オリジナルのゲーム性を期待している人には賛否が分かれると思います。まあ、オリジナルのマークIII版も同時収録されているので、余程相性が合わない限り、買って損をすることはないのですが。

1987年にアーケードで稼働したアイレムの名作シューティングの移植版で、このセガマークIII(マスターシステム)版の販売元はセガですが、開発は同機種で『アレスタ』を手掛けたコンパイルが担当しています。当時のセガの次世代機であるメガドライブ発売の一ヶ月前である198810月に発売されました。
元のアーケード版は、『グラディウス』(コナミ)や『ダライアス』(タイトー)等、80年代を代表する横スクロールシューティングの一つで、有機的なデザインの敵キャラや背景、強力な溜め撃ちショットの「波動砲」、オプション武器「フォース」を使った戦略性、巨大戦艦のみで構成されたダイナミックなステージなど、後のシューティングゲームに多大な影響を与えるほど、当時としては斬新な要素を多く盛り込まれていました。その人気は日本国内だけでなく、海外でも評価が高く、海外限定のハードに移植されるなど、他社の名作シューティングに匹敵するほど多機種に渡って移植されました。
 
このマークIII版は、大元はアーケード版に忠実ですが、基本性能がファミコンと大差がないセガマークIII(マスターシステム)ということもあり、一部のキャラクターが一回り小さく、ちょっとでも多くのキャラクターが表示されるとキャラが点滅(ちらつく)するなど、ハードスペック上仕方ない部分もあるのですが、可能な限りアーケード版の要素を表現されています。背景のグラフィックに関しては、二重スクロールはしないものの、アーケード版を似せようとする努力が感じられるほどの描き込み具合です。
また、当時のマークIII最大容量4メガビットを使用したことによって、先行して発売されたPCエンジン版では実現できなかった全8ステージ(2周目あり)収録だけではなく、マークIII版オリジナルの隠しステージまで用意されています。さらにFMサウンドユニットを装着したセガマークIIIか、マスターシステムで起動させると、サウンドをFM音源で楽しむことができます。
 
マークIII末期ソフトだけにゲームとしての完成度はかなり高いのですが、先行して発売されたPCエンジン版の移植度があまりにもの衝撃的だったので(それが例えステージ半分収録であっても)、後発のマークIII版はいくら出来がよくても初めてPCエンジン版を見た時の衝撃度には敵うはずがありません。また、当時の次世代機のメガドライブ発売が目前に控えていたため、非ユーザーの人にとっては存在すら気付かず消えていってしまった印象を受けます。そんな筆者もまた、マークIII版の存在を知らないファミコンユーザーの一人でした。
なお、筆者がこのゲームの存在を知ったのがかなり後年、1992年発売の『メガドライブFAN(徳間書店)付録のソフトカタログでした。筆者が中学2年生の昔の事なのであまり記憶がないのですが、その付録のメガアダプタに対応しているソフトの一覧をみて、「マークIIIにあのR-TYPEが出ていたなんてスゲェ」と妙な感動をした覚えがあります。当時、筆者にとっての『R-TYPE』はPCエンジン版の印象が強かったせいか、高性能のハードでしか遊べないというイメージで、ファミコンとそう性能が変わらないハードで『R-TYPE』が遊べるとは想像もできませんでした(今となってはネタに思われそうですが、その時は本気でそう思っていた)。一応、マークIII版はTVCMまで放映されていたようですが、その頃は完全にファミコン派だったのでチェックしておらず、マークIII版の存在を知ってから「マークIII版『R-TYPE』ってどんな出来なんだろう?」と興味を持った訳ですが、その頃すでに地元ではマークIIIソフトを扱っている店がないどころか、友達にマークIIIユーザーすらいなく、しばらくマークIII版は自分の中では幻のソフトとなってしまいました。それからさらに3年以上が経ち(1995年春)、筆者が高校3年生の時に初めて秋葉原に行き、そこでセガマークIIIソフトを取り扱っている店を見つけたのですが(ゼット。現メディアランド)、この時は残念ながら予算的にソフトを購入することができず、それから必死にバイトをしてその年の夏休みに念願のマークIII版を手に入れることができました。中古で4980円と今思えば高額でしたが、3年間も興味を持ち続けていたタイトルだけに当時の筆者にとっては安い買い物でした。
 
ほぼ完全移植といっていいほど完成度の高かったPCエンジン版の後発だけに、当時リアルタイムでマークIII版をプレイした人には賛否両論かと思いますが、リアルタイムではなく、すでにセガサターンが発売された時に初めてマークIII版をプレイした筆者にとっては、「ファミコンと同性能のハードでR-TYPEを再現した」という感動の方が大きく、セガマークIIIの名作シューティングの一つとして遊んでいました。流石に今遊ぶと流石にスプライトのチラツキは気になりますが、ゲームとしては普通に良い出来ですし、音楽をPSG音源とFM音源の両方で楽しめるので、移植度がより高い他機種版が出ている今でも音楽の聴きたさにプレイしている作品です。

1986年にセガから発売された、パステルカラーとコミカルなキャラクターが特徴の同名アーケード作品の移植版です。ジャンルは左右任意スクロール型のサイドビューシューティングで、敵を倒したお金でパワーアップアイテムを購入し、ステージ内に設置してある前線基地を全て破壊し、最後に待ち受けるボスを倒すのがステージクリアーの目的となっています。全7面(最終面はボスオンパレードステージ)のループ制です。
 
『ファンタジーゾーン』はアーケードの人気作だけに数多くのハードに移植されましたが、家庭用移植としてはこのセガマークIII版が初で、同機種初の1メガビット「ゴールドカートリッジシリーズ」の目玉として発売されました。ハードの普及を牽引させるため、アーケード版の人気が冷めないうちの発売を目指し、スタッフ達がセガマークIII開発環境のノウハウを持っていない状態での開発となりましたが、ハードのスペック上再現できそうもない部分は省略されたり、一部のボスが新規のモノに差し替えられているもの、『ファンタジーゾーン』としてのゲーム性は問題なく再現されています。また、アーケード版で話題になったサンバミュージックは音が貧弱なものの、PSG音源ということを考慮すれば及第点でしょう。
削除されたボスは4面のクラブンガーと6面のウインクロン。どちらも多関節スプライトで再現されたボスなので、横方向に4つのスプライトしか並べられないマークIII版ではそれぞれ、ウルトラスーパービックマキシムグレートストロングトット(長い名前だ…)とdz・デノ・ローマ(スチュワーデス物語が元ネタ)に差し替えています。それらボスのデザインが作品世界観にマッチしているかは微妙ですが、「アーケード版には登場しないオリジナルボス」として見ればマークIII版はそれなりに価値があると思います(笑)。
ボス以外では、前線基地の位置を確認するためのレーダー表示がオミットされたり、前線基地がアニメーションしなかったり、上下スクロールがなくなったりしましたが、バランスは再調整されているので、ゲーム性にさほど影響するものではありません。
 
本作の一年後にはサン電子よりファミコン版が発売され、プログラム技術の向上や、マークIII版の倍の容量である2メガビットを使われただけに、再現具合ではファミコン版を圧倒していますが、アーケード版が旬のうちに他機種に先駆けて発売されたマークIII版はそれはそれで価値があったと思います。一日でも家で『ファンタジーゾーン』をやりたいファンには、(例え一年後にファミコン版が発売されると知っていても)それのためにセガマークIIIを買った人もいるわけで、アーケード版の知名度を活かしたという点では、ハードの売上に献上することに成功したと言えます。
個人的には、移植度とは関係なしに、アーケード版を知らない人でも受けがよかったように感じられました。当時、家庭用ではマイナーなイメージが強かったセガが、本作のような子供でも馴染みやすいキャラクターを生み出したという点が、それまでのセガには足りなかった要素でした。セガの前機種であるSG-1000は、同日に発売されたファミコンよりもグラフィック性能が低く、魅力のあるキャラクターを生みにくい環境でしたが(単色スプライトで魅力あるキャラを描くのはどう見ても無茶)、グラフィック性能が上がったセガマークIIIになって、ようやくそれが実現できるようになりました。そんな環境の中で、ポップでコミカルなキャラクターが売りの『ファンタジーゾーン』をゴールドカートリッジシリーズの最初に持ってきたのは正解だったと思います。
 
当時、筆者はアーケード版を知らない非セガマークIIIユーザーの小学生でしたが、マークIII版が発売されて間も無く、親戚の家で初めてマークIII版をプレイする機会に恵まれました。それまで筆者は、「セガのゲーム=SG-1000のゲーム」だったので、セガのゲームは垢抜けていないイメージだったのですが、マークIII版をプレイすることによってようやくファミコンに近づいたように感じられました。当時のセガユーザーの中には「ファミコンは子供騙し」という考えを持っていたかと思いますが、まだ子供だった筆者には「子供すら騙せていない」というのが正直な意見でした。子供受けしそうなコミカルなキャラクターは、アーケード版のファンのみならず、アーケード版を知らない子供でも魅力的に感じるので、このマークIII版の意義はそれなりにあったはずです。少なくとも当時、筆者が初めて「セガのゲームは面白い」と思うきっかけになったソフトでした。
それから時が流れ、筆者は高校生(1994年)になって念願のマスターシステムを手に入れたのですが、その頃は地元ではマークIIIのソフトを扱っている店が皆無に近く、残念ながらソフトを入手することができませんでしたが、それから一年以上経って、初めて秋葉原に行った時にようやくソフトを購入することができました。手に入れた頃には、世間ではセガサターンの時代でしたが、念願だったソフトだけにただひたすら夢中になってプレイしたのを記憶しています。
 
今となってはアーケードの完全移植版が他機種に渡って発売されているので、移植度的に中途半端なマークIII版は存在価値がないように感じますが、連射パッドと、「全てのエンジンを購入するとウェポンが無制限で使える」という裏技を使えばアーケード版では味わえない爽快感を得られるので、今でもたまに引っ張りだしては遊んでいます。シューティングが下手な筆者ですら裏技を使えば何周もクリアーできるので、全体的に難しいゲームが多いセガの作品としては良心的な難易度だと思います。完全移植版がある今でもお気に入りの一本です。

武論尊&原哲夫原作による同名コミックのゲーム化で、原作のサザンクロス編からラオウ編までのエピソードを基にしたサイドニューのアクションゲームです。セガマークIIIで展開されたゴールドカートリッジシリーズの初期作品として、ハードメーカーであるセガより1986年に発売されました。なお、メインプログラマーには後に『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を生み出すことになる中裕司氏が担当しています。
 
ゲームの流れはアイレムの『スパルタンX』に近く、キック・パンチ等の格闘技を武器に、次々と襲いかかる雑魚や中ボスを蹴散らしながら右方向に進んで行き、ステージ最後に待ち受けるボスを倒すとステージクリアーとなります。『スパルタンX』と同じくライフ制と残機制を採用していますが、『スパルタンX』にはなかった要素として、一定数の雑魚を倒すとライフがわずかに回復したり、道中に無敵やライフ回復やワープなどのアイテムが登場します。
ほぼ、パンチキック連打だけで進めた『スパルタンX』とは違い(特にファミコン版)、本作は攻撃時に一瞬の隙ができるので、まとめて雑魚が襲ってきた時にはタイミングよく攻撃ボタンを押さないとダメージを喰らうことがあります。また、中ボスではダメージを与えるだけでは倒せないキャラも登場し、当時発売された『スパルタンX』タイプのような単なる大味なゲームとは一線を画しています。
ボス戦では、道中ステージのキャラよりも一回り大きいキャラに切り替わり、ボスとの一対一の対戦が始まります。ボス戦は基本的に「ボスが技を出し終えた隙」でないとダメージを与えられず、フィニッシュ技である北斗神拳を決めるには、相手のライフが0になったときに、ボスごとに異なるある技でとどめを刺す必要があります。なお、ボスの一人である「トキ」は、向こうから攻撃仕掛けた後以外で攻撃すると即攻撃を喰らったり、後半ステージに登場する「サウザー」にはある手順に沿って技を決めないとライフを減らすことができず、ゲーム的なディフォルメながらも原作の設定を上手く再現しています。
当時の大容量である1メガビットカートリッジを採用しただけに、演出面も凝っていて、北斗神拳シーンや、ボス撃破後のちょっとしたデモや、有名な「我が生涯に一片の悔いなし!」のシーンも再現しています。当時放映されたTVCMの「北斗百裂拳」のシーンを観て、購入を決めたユーザーも多かったと思います。ゲーム性だけでなく、キャラゲーとしての魅力も抜かりがありません。他にも、当時の家庭用作品では珍しく、背景の奥行きの表現にラスタースクロールが使われたのは斬新でした。
エンディングはスタッフロールもなく、かなりあっけない作りですが、当時のゲームなので仕方ないのかも知れません(スタッフの引き抜き防止?)。
 
筆者は当時セガマークIIIを持っていないどころか、クラスメイトでもマークIIIユーザーが皆無に等しく(もっともファミコン最盛期でセガマークIIIを買うような物好きは当時の小学生にはいない)、プレイする機会に恵まれませんでした。
それから数年が経ち、筆者は晴れてメガドライブユーザーとなったのですが、ある日メガドライブ専門誌を読んで、「どうやらセガマークIIIの北斗の拳は名作らしい」ということを知り、ひたすらバイトでお金を貯め、秋葉原で中古ソフトを買いました。1995年の夏休みだったと思います。
発売から9年経ってからのプレイなので、商業誌などの攻略情報を持っていなく、しかも当時はインターネットがまだ一般的ではなかったので、当然ながら攻略サイトもなく、手元にある説明書の情報だけを頼りに攻略することになりました。
最初は『スパルタンX』のように連打プレイしていたので、敵にダメージを与えることができず(特に一面道中に登場する「ハート様」の倒し方ですらわからなかった)、そこで数時間悩み続けました。それ以降も、倒し方が特殊なボスが多く登場するので、試行錯誤を繰り返し、購入から10日目でようやく念願のクリアーを達成することができました。元々筆者はアクションゲームが下手なので攻略情報は頼りがちなのですが、これは最後まで自力で制覇することができたので達成感はかなり大きかったです。昔の大半のゲームがそうであったように本作でもコンティニューの概念がありませんが、難易度が高い作品が大半を占めるマークIIIソフトの中でも、本作は適度な難易度だと思います。ただ、マークIIIの標準パッドでは操作性が悪過ぎて、ラスボスの「ラオウ」が余計強く感じるのが難点です(これはメガドライブパッドに差し替えることで解決しますが)。
 
なお、本作はグラフィック関係を差し替えた海外版が『BLACK BELT』として発売されています。北斗神拳が怪しい技名に変更されたり、敵として力士や忍者が登場したり、ライフ回復アイテムが寿司になっていたりと、日本を勘違いしたような世界観と化しています。ファミ通の『ナイツ・ナイス・ナイト・ツアーズ』(セガサターン版『NiGHTS』の攻略本)に掲載されている中裕司氏のインタビューによると、中氏をはじめとする国内版のスタッフがノリながら作ったとか。バカゲー愛好家なら、遊び比べてみるのも面白いかも知れません。バカゲー度は、「あべし」を取るとパワーアップするファミコン版に匹敵します()。肝心の難易度は、アイテム出現頻度が高くなっている分、国内版よりも低めとなっています。
 
後年にプレイステーション2に『SEGA AGES2500シリーズ』として本作のリメイク版が発売されましたが、単なる単調で大味なゲームとなっていて残念に思いました。しかも、マークIII版も同時収録されているのですが、操作遅延が酷く、「相手が技を出し終えた一瞬の隙に攻撃する」タイミングがシビアになってしまい、無駄に難易度が高くなっています。2本収録でお得のように感じますが、正直お勧めできません。
 
余談ですが、マークIII版パッケージに描かれている「レイ」ですが、本編には登場しません…

↑このページのトップヘ