2011年03月

コナミを代表するアクションゲームシリーズ『悪魔城ドラキュラ』の一つで、メガドライブオリジナルタイトルとしてメガドライブ末期に近い1994年に発売されました。
従来のドラキュラシリーズはドラキュラ城城内、或いはその付近を舞台としてましたが、本作ではヨーロッパ全土を舞台にしています(ちなみに一面マップ構成はファミコンディスク版初代とほぼ同じ)。その為か、タイトルにお馴染みの「ドラキュラ」「悪魔城」というキーワードを付けず、シリーズ初代の欧州MSX2版タイトルと同じ『VAMPIRE KILLER』が冠されています。
 
本作は性能が異なる二人のプレイヤーキャラがいるのが特徴で、ゲーム開始時にシリーズでお馴染みの鞭使いタイプの"モリス"か、槍使いの"エリック"のいずれかを選択します。特殊アクションも異なり、モリスは鞭をワイヤーのように天井に引っ掛けて移動する事が出来、エリックは槍を利用してハイジャンプする事が可能です。それらアクションを利用する事によって、選んだプレイヤーによってステージが分岐します。それぞれが進むルート、扱い易さから、エリック(槍使い)は初心者向け、モリス(鞭使い)は上級者向けと言ったところでしょうか。なお、通常ウェポン(鞭or槍)の他に、使用回数制限ありのサブウェポンがあったり、ジャンプ中の制御ができなかったり、ダメージを喰らうと後ろに吹き飛ばされるなど、基本はファミコン版シリーズ(悪魔城ドラキュラ、悪魔城伝説)を踏襲した作りとなっています。
難易度が高いと知られているシリーズですが、それまでのシリーズと比べると比較的難易度が低めで、パスワードコンティニューによる中断も可能です。よほどアクションゲームが苦手でない限り、ある程度の腕前を持っていれば、繰り返しプレイすればクリアーが見えてくるバランスです。

グラフィックは当時発売されていた他機種版より劣ると言われていましたが、メガドライブらしい発色が独自の世界観にマッチし、彩度が明るいスーパーファミコン版(悪魔城ドラキュラ、悪魔城ドラキュラXX)やアニメ調のPCエンジン版(悪魔城ドラキュラX 血の輪廻)よりもゴシックホラー感が上だと思います。メガドライブが苦手とされる赤系の色を多く使われているので、色の滲みが気になる人はテレビの色彩調整をするといいでしょう。ただ、キャラクターサイズがファミコン版シリーズのように小さめので、同時期のシリーズと比較すると見た目がしょぼく見えるのが難点です。
また、メガドライブ界で大活躍していたトレジャーに対抗してか、トレジャーが得意としていた多関節スプライトによる滑らかな動きを見せるボスキャラが本作でも多数登場するのが特徴で、それまでのシリーズのイメージに合うかはともかく、外伝として見るのであればこれはこれで見所のある演出と言えます。
FM音源が奏でるBGMの数々も、作品世界観にマッチした聴き応えがあるもので、他のドラキュラシリーズと肩を並べる程の名曲です(余談ですが、サントラCDPCエンジン版『悪魔城ドラキュラX』とのカップリングで発売されています)。

当時を知る者からすればそこまで悪い出来ではないのですが、発売当時、『BEEP!メガドライブ』(ソフトバンク)に掲載された読者による評価(ドッグレース)がやや低め(10点満点中6.5ポイント)だったので、その記事を読んで買い控えユーザーは多かったと思います。しかも、当時はトレジャー作品のような見た目が派手なゲームが出ていた中で、本作のようにストイックでキャラが小さく、見た目が地味なゲームは注目される訳もなく、受注が制限されるのも無理がありません。そのせいか一度も再販されず、出荷本数は少なかったので、当時ですら中古価格が下がらず、結局4980円で買ったと記憶しています。その頃筆者は高校生であり、お小遣いが月5000円だったので、正直高い買い物でした(これを買ってしまうと他の買い物ができなくなるという意味で)。
同時期に発売されたPCエンジン版『悪魔城ドラキュラX』は、ジャンプ制御のできる快適な操作性やバランス調整が万人向けであり、その路線は現在も引き継がれています。アクションRPG化され、アクションゲームが苦手な人でも楽しめる『悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲』以降のシリーズ
も悪くないのですが、ストイックなゲーム性の頃が好きだった筆者としては、頭の中にあるドラキャラ観とはかなり異なります。世間的な評価はとにかく、アクションゲームが次々と万人化していく中で、ストイックなアクションゲームに仕上げることが出来た幸運なゲームだったのかも知れません。

タイトルこそ"悪魔城ドラキュラ"の名が冠されていませんが、初代作をリアルタイムでプレイしている筆者としては、最近のシリーズ作よりもドラキュラらしい作品だと思います。あえて初期のファミコン版シリーズのテイストにしたのもメガドライブユーザーに合わせての事ですし、コナミだけにアクションゲームとしての完成度は水準以上ですし、音楽に至っては一流です。メガドライブ末期のソフトに見られたプログラミング技術は特に感じられず、ユーザーの間で圧倒的支持を受けていたトレジャー作品の陰に隠れてしまいましたが、時代性を気にしなければそれなりの佳作だと思います。

なお、北米版(Castlevania: Bloodlines)は国内版より難易度が上がっていますが、それ以外はほぼ国内版と同じです。当時の『BEEP!メガドライブ』のコナミのコメントによると、国内版はぬるく感じたら海外版をプレイする事を勧めていたので、興味があればこちらを手にしてもいいかと思います。一時期、秋葉原でかなりの本数が流通していたので、国内でも入手は比較的容易だと思います。むしろ真性のドラキュラファンは海外版を押さえるべきでしょうね(笑)。

 
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家庭用で発売されたタイトー(開発元は今は亡きホットビィ)の横スクロールシューティング『中華大仙』のWii版、PCエンジンHuカード版、ファミコン版、そして海外のみで発売されたセガマスターシステム版です。これ以外にもPS2『タイトーメモリーズ』にも収録されましたが、ソフトが震災のどさくさにまぎれてどっかにいってしまったので撮影できませんでした…(あのシリーズ、全4作買いました)
ホットビィシューティングは他にも『インセクターX』や『鋼鉄帝国』がありますが、それら名作?を差し置いてこれだけ移植されたという事実は、それだけ人気があったのでしょうね。元々、マスターシステム版も日本で発売予定だったみたいですし。それにしても中国を舞台にしているのに、主人公の名前が「マイケル」なんてこれは如何に?(笑)
ちなみに、Wii版はどちらかというとリメイク的な作りで、元ホットビィ関係者が設立したスターフィッシュから発売されました。

1987年から1996年に掛けて『月刊少年マガジン』で連載された川原正敏原作の同名格闘漫画の第2部までをゲーム化したものです。販売元はセガですが、開発にはメガドライブで主にセガアーケード移植(『ゲイングランド』『ゴールデンアックス』『テトリス』など)を手掛けたシムスが携わっています。
本作は原作のストーリーに沿って11の対戦を行っていくセミリアルタイム制のシミュレーションゲームで、相手との間合いを取り、コマンド選択によってプレイヤーの行動を決めていくシステムを採用しています。
各種コマンドは、間合いや気力ゲージ等によってそれらの成否が決まりますが、中には成功率の低いコマンドもあり、攻略に返し技が必須な海堂晃は最強の部類に入ります。また、ゲームの進行によって使える技が増えていきますが、その条件を満たす為には原作漫画で描かれた数々のイベントをこなす必要があり、攻略には原作漫画を読む事がクリアーの近道となります。それ故に本作はある種アドベンチャーゲームとも言えるでしょう。逆に原作通りのイベントを起こさずにプレイすると、試合を終わらせるのに必要な決め技が使えず、自由度はかなり低めとなっています。

アニメーションシーンの多さも特徴で、オープニング&エンディング、シナリオ間デモのみならず、試合中でも技を繰り出すたびにアニメーション画面に切り替わります。こういったアニメシーンは、当時はPCエンジンCDロム作品が得意としていた要素ですが、一部で使い回しがあるもののそれを8Mbitのカートリッジながらも豊富に用意されているのが見所の一つです。
BGM
も出来も素晴らしく、本作のメインテーマを場面や状況ごとにアレンジして使い分けていく手法は当時は斬新に感じられました。特にオープニングや第2部予告編で流れるBGMが、上手く動画にシンクロしていて、プレイヤーに対する引きもバッチリです。『修羅の門』がアニメ化されたと仮定して、もし本作のBGMがほぼそのまま使われても違和感がありません。

セーブはシナリオごとのパスワード制ですが、そのパスワードがシナリオ内のキャラクターの台詞でもあるので、非常に覚え易く、かつ短いのが嬉しいところです。ゲーム中最難易度を誇る海堂戦のパスワードを今でも覚えている当時のプレイヤーも多いでしょう()。バッテリーバックアップではないのでバッテリーの寿命を気にせず、今でも安心してプレイできます。
 
発売当初、筆者は原作自体を知らなく、このゲームに全く興味を示しませんでした。しかしある日、発売から数ヶ月後だったと思いますが、店頭で流れたオープニングデモに目が止まり、その凝ったアニメーションや、シーンに合ったBGMに興味を持ち、さらにはその頃には店頭価格が2980円まで下がった事もあり、購入に踏み切りました。実は同時に、発売前から興味のあった『サンダーフォースIV(テクノソフト)も同じ値段で売られていたのですが、当時はPCエンジンのビジュアルシーン(アニメシーン)に憧れていたので、クオリティの高い本作のアニメーションが決め手となり、『サンダーフォースIV』の購入を見送りました(当時は中学三年生だったので、両方を買う予算がなかった)。
当時は原作を読んでいなかったので、最初は雑誌(マル勝メガドライブ)の攻略記事を読んで第一部をクリアしたのですが、攻略記事は途中までだったので、これを機に原作を読みました。悪戦苦闘しながらもゲームは無事クリア出来たのですが、原作漫画もこれがきっかけで見事にハマり、原作漫画の全巻読破は勿論、番外編である『修羅の刻』まで読み始めたほどです。

ゲームとしてはあくまでファン向けですが、熱い展開を彩るBGMの数々が脳内で流れるほど印象強く、音楽を聴く為に引っ張り出すほど気に入ってます。逆に原作を読んでいないと何をやればいいのか分かりにくいので、最低でも原作を読んでからプレイする事を激しくお勧めします。原作を知らないと楽しめないという意味で、キャラゲー色の強いゲームを言えます。ただ、攻撃時の技の成功率や防御時の回避率はランダム要素も絡み、正解を知っていても運が悪いと負けることもザラなので、例え原作ファンでも根気がないと辛いゲームなのは間違いないです。

個人的には本編のゲーム化が第2部で終わって正解だったと思います。原作第3部のボクシング編も悪くないのですが、第2部の異種格闘技編と比較すると印象が薄く、登場キャラも海堂晃や片山右京ほどの魅力を感じられないので(あくまで筆者の意見)、物語としては2部だけでも綺麗に終わっていると思います。とは言っても、14年という長い沈黙を破って連載が再開された『修羅の門 第弐門』は、あれはあれで面白い漫画です()
 

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メガドライブ末期に発売されたアクレイムジャパンのメガドライブソフト。これらを秋葉原で買ったら一体いくらになるんだろうか…
ちなみに一番安く買えたのが、ジャッジドレッドの新品1000円で秋葉原メッセサンオーで購入しました。
一番高かったのは『WWF-RAW』の中古99750円…。中野まんだらけで購入しましたが、もうこんな値段でゲームは買わん(爆)

SNKを代表するネオジオ対戦格闘シリーズ『餓狼伝説』の第一作目の移植で、販売元はセガですが、開発元は90年代前半にネオジオ移植作品を多機種に渡って手掛けてきたタカラによるものです。メガドライブ2と同日である1993423日に発売されました。
発売当時は『ストリートファイターII』から始まった対戦格闘ゲームブームでありながら、それまでにメガドライブで発売された対戦格闘ゲームは『ファイティングマスターズ』『ファットマン』『パワーアスリート』『ヘビーノバ』『ブラックホールアサルト』ぐらいしかありませんでしたが、対戦格闘ゲームというジャンルが確立する前の作品だったので、一人用タイマンアクション的な作りが多く、"ポストストII"である本作の発売を待ち焦がれたメガドライブユーザーが多くいました。そんな中で発売された為、対戦格闘ゲームファンや餓狼伝説ファンが購入しただけでなく、まだ発売されていなかった『ストリートファイターII'プラス』(同年9月に発売)の繋ぎとして購入した人も多かったはずです。

ゲーム内容は、三人いるプレイヤーキャラの中から一人を選びCPU戦を勝ち抜いていく1Pモードと、対戦格闘ゲームの肝でもあるプレイヤー同士の対戦モード、同じCPUキャラと戦い続ける練習モードが用意されています。
容量の問題からか、移植に際しCPUキャラが二人削除されたり、スコアの概念がなくなり、それに伴ってボーナスステージが削除されましたが、その代わり家庭用ならではのアレンジがなされています。
初代ネオジオ版は選べるキャラクターが三人しかいなく、現在の対戦格闘ゲームに比べると対人戦要素が低いCPU戦メインの内容でしたが、このメガドライブ版は対戦モードのみですが、CPUキャラも使用でき、現在の対戦格闘ゲームに特化した内容に仕上がってます。
また、任意でライン移動ができたり、必殺技がコマンド入力の受け付け時間がルーズになったおかげで出やすくなったりと(テリーのライジングタックル等、一部のタメ入力技は出しにくい)、遊びやすい方向にアレンジされているのが好印象です。

一部キャラに簡単にできるハメ技があり、キャラクターバランスはそれなりですが、CPU戦の難易度はそこそこで、必殺技の出しやすさもあり、当時の対戦格闘ゲームとしては初心者にも練習用として楽しめました(あくまで過去形)。
ただ、現在の主流である連続技主体の対戦格闘ゲームに慣れたゲーマーには、本作のような必殺技主体の大味なゲーム性は受け入れられるか微妙なところです。コレクターズアイテムとしての価値はあっても、遊ぶとなると人を選ぶ作品でしょう。
それでも、発売当時買った筆者の意見としては、『ストリートファイターII』を遊ぶ上で苦手だったコマンド入力必殺技がこのゲームのおかげで出せるようになったり、アーケード版をラスボスであるギーズで行けるようになりました。そういった意味では思い入れもあり、定価で買った事も後悔がありません(まあ、当時高校一年生だった筆者には8800+消費税は高額でしたが)

削除された2人のキャラクターのうち、シリーズの人気キャラの一人「ビリー・カーン」が削除された事を非難する声がありましたが、ネオジオ版に思い入れがなかったせいか個人的には気になりませんでした。それでもキャラクターが削除された分、プレイヤーキャラとCPUキャラ合わせて9人しかいなく、若干の物足りなさは否めません。一応、1Pモードで仲間の乱入が二回あるので、ステージ的なボリュームは変わらないのですが
それ以上に致命的だったのが発売時期の遅さ。スーパーファミコン版に遅れを取るどころか、アーケードではすでに続編が稼働中だったのが痛かったです。

使って楽しいキャラは、「ギース・ハワード」。飛び道具技以外のどんな技でも当て身で投げられるのは爽快です。これがCPU戦勝ち抜きモードで使えたら一人用モードでもさらに面白くなったと思います。

パッケージアートはSNKオフィシャルではなく、新解釈(?)としてメガドライブ版用に描き下ろしたイラストです。個人的にはお気に入りですが、ファン的にはアンディーの顔が妙に濃かったり、ギースがドラキュラ伯爵のように怖かったりして、賛否両論だと思います。

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